更新情報・お知らせ

2022(R4).9.28 参考・解説のページに出生前診断で13トリソミー、ダウン症(21トリソミー)、ターナー症候群、クラインフェルター症候群と診断された方への情報提供を目的に参考資料をアップしました。また、着床前遺伝学的検査についてPGT-M(単一遺伝子疾患)とPGT-SR(染色体構造異常)の参考資料もアップしました。

 

2022(R4).8.1. 当院は日本医学会の出生前検査認証制度で基幹施設として認証されました。

 

2021(R3).2.7. 現在の出生前診療外来での遺伝カウンセリングは予約申し込みから受診まで4週間程度かかりますのでご了承ください。

 

2021(R3).2.7. 当院では日本医学会の認定を受けて、NIPTを実施しています。羊水検査等の確定検査まで対応しています。

 

2018(H30).3.10. 出生前検査を受けて、胎児が染色体異常と診断された妊婦さんにお読みいただく解説文書を作成しました。初回となる今回は、ターナー症候群、クラインフェルター症候群、ダウン症候群を掲載しています。  

 

2016(H28).10.10. 外来受診の当日に検査を受けることができるかどうか受診方法と費用のページをご覧ください。

 

2016(H28).1.1. 新型出生前診断(NIPT)の適応を双胎妊娠に拡大しました。

 

2013(H25).5.14. 兵庫医科大学病院は平成25年4月30日(火)付けで、新型出生前診断に関する臨床研究施設として日本医学会から認可を受けました。

 

2013(H25).5.14. ホームページによる情報提供を開始しました。



母体血清マーカー検査(クアトロテスト)とは

母体血清マーカー検査には、妊婦さんの血液中の3類の成分(AFP・非抱合型E3・hCG)を測定するトリプルマーカーテスト、4種類の成分(AFP・非抱合型E3・hCG・インヒビンA)を測定するクアトロテストがあります。ここでは当院で実施しているクアトロテストについて詳しくご説明します。

目的

○ 妊婦さんの血液中に含まれる4種類の成分を測定し、胎児がダウン症、18トリソミー、

 開放性神経管欠損症である確率を予測して、基準となる確率(カットオフ値)をもとに羊水

 検査などの確定診断検査の実施を考慮するためのスクリーニング検査です。

○ 確定診断検査である羊水検査の実施や、より正確な情報を得るための画像診断の必要性を

 考慮する判断材料のひとつになります。

対象疾患

○ ダウン症(21トリソミー)、18トリソミー、開放性神経管欠損症の3つの病気が検査対象

  です。

  ※ 双胎妊娠の場合は、18トリソミーの結果はでません。

検査方法と原理

○ 妊婦さんから少量の血液(10ml)を採取

 し、血液中の4種の成分(AFP,非抱合型

  E3,hCG,インヒビンA)を測定します。

○ これらの成分は妊娠中に胎児または胎盤

  から作られるものであり、妊娠が進むに

  つれて増減しますが、胎児が検査の対象

  疾患に罹患している場合も増減します。

○ クアトロテストは、年齢と4種の成分の

  測定値、および以下のような様々な因子

 を用いて、胎児が対象疾患であるかどう

 かについて、妊婦さん一人ひとりの確率

                        を算出します。

○ 妊婦さんの年齢が高齢になるほど、ダウン症や18トリソミーの赤ちゃんが生まれる頻度が

  高くなります。

○ クアトロテストは、母体年齢の確率をもとに妊婦さん一人ひとりの確率を計算している

  ため、年齢の高い妊婦さんほど検査結果の確率が高くなる傾向があります。従いまして、35歳前

 後までの方であればクアトロテストで陰性となることが十分期待できますが、40歳を超えるよう

 な年齢の場合には、検査を受けても陽性になりやすいことに留意する必要があります。

実施時期

○ クアトロテストの検査推奨時期は、妊娠15週0日から16週頃までです。

○ 妊娠15週0日から妊娠21週6日までは検査が可能ですが、クアトロテストの結果をみてから

 羊水検査を実施するため、妊娠16週頃までに検査を受けることが望ましいです。

○ 17週以降でクアトロテストを実施した場合には、クアトロテストの結果は得られますが、

 陽性の場合に羊水検査を受けたとしても、羊水検査で確定診断の結果を得てから、妊娠

 継続の可否の判断をすることができないことがあります。

 

結果の解釈

○ 妊婦さん一人ひとりについて、赤ちゃんが対象疾患である確率で報告されます。

○ 確率が「1/500」であれば、「同じ1/500(0.2%)の結果であった妊婦さんが500人いたと

 すると、その中の1人(0.2%)の妊婦さんが対象疾患の赤ちゃんを妊娠している可能性が

 あり、残りの499人(99.8%)の妊婦さんの赤ちゃんは対象疾患ではない」と解釈します。

○ 3つの対象疾患について、それぞれ基準となる確率(カットオフ値)が定められており、

 カットオフ値と検査を受けた妊婦さんの確率を比較します。

 ◇ カットオフ値よりも確率が高い場合は、Screen Positive(スクリーニング陽性)

  「赤ちゃんが対象疾患である確率はカットオフ値よりも高いが、生まれる赤ちゃんが

   必ず対象疾患であるということではない」と解釈します。

 ◇ カットオフ値よりも確率が低い場合は、Screen Negative(スクリーニング陰性)

  「赤ちゃんが対象疾患である確率はカットオフ値よりも低いが、対象疾患の赤ちゃん

   が絶対に生まれないということではない」と解釈します。

限界とわからないこと

○ これまでの説明のとおり、クアトロテストはスクリーニング検査(振り分ける検査)である

 ため、確定診断はできません(確実に病気であるかないかはわからないということです)。

○ 新生児の3~5%は何らかの先天異常をもって生まれてくるといわれており、対象疾患で

 なくても、出生後にその他の染色体異常や先天異常が見つかる場合があります。

○ クアトロテストは年齢による影響を大きく受けます。それは高年齢になるにつれて、基準値となるダウン症や18トリソミーなどの平均的な出生確率が上昇するためです。クアトロテストは各年齢の平均的(厳密には中央値といいます)な出生確率を血液検査のデータで補正するというふうに考えていただくと理解しやすいです。同じ血液検査の結果でも年齢が異なると算出された確率が異なるのはそのためです。

クアトロテストは年齢の影響を受けますので、35~39歳の方では約18%、40歳以上の方では約40%の方が陽性になります。従いまして、この検査は35歳未満の方が受けると、陽性率が5%となり、かなり陰性の可能性が高くなりますが、35歳以上の方の場合には、検査を受けても、そもそも年齢に応じて陽性になる可能性が高くなっていることをご理解の上受けていただくようにお願いします。

ラボコープジャパン資料より

実施の流れ

◎ 15週0日でクアトロテストを受けた場合

  ※クアトロテストを実施する時期によって、多少異なる場合はございますが、以下の

   ような流れで、検査を行なわせていただきます。

ラボコープジャパンの妊婦さん向けパンフレット

クアトロテストの検査会社であるラボコープジャパンから妊婦さん向けのパンフレットが提供されていますので、参考にしてください。

G-AFP-003G.pdf
PDFファイル 247.1 KB