更新情報・お知らせ

2018(H30).3.10. 出生前検査を受けて、胎児が染色体異常と診断された妊婦さんにお読みいただく解説文書を作成しました。初回となる今回は、ターナー症候群、クラインフェルター症候群、ダウン症候群を掲載しています。 

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2017(H29).8.28. 日本産科婦人科学会から「「母体血を用いた新しい出生前遺伝学的検査(NIPT)」を受けることを考えている妊婦さんへ」 という無認可施設での検査の実施に懸念を示す文章が交付されました。大切な赤ちゃんの検査は体制の整った認定施設で受けることを強くお勧めします。 

 

2016(H28).10.10. NIPTを無認可(日本医学会の認定なし)で、遺伝カウンセリングを行わず、採血だけを実施し、その血液は海外に送付して安価に検査するという指針違反の施設・企業があることが報告されています。たとえ検査料のみで2~4万円程度安価でも、必要な遺伝カウンセリングは他施設にて別料金で受けることになる上、NIPT陽性の場合の羊水検査は別料金のため、他施設で羊水検査を受けると、追加料金が必要で結局は5~15万円程度も高額になります。くれぐれも注意してください。

認定施設と無認可施設の比較

2016(H28).12.28. 現在の出生前診療外来での遺伝カウンセリングは予約申し込みから受診まで3週間程度かかりますのでご了承ください。

 

2016(H28).10.10. 外来受診の当日に検査を受けることができるかどうか受診方法と費用のページをご覧ください。

 

2016(H28).1.1. 新型出生前診断(NIPT)の適応を双胎妊娠に拡大しました。

 

2013(H25).5.14. 兵庫医科大学病院は平成25年4月30日(火)付けで、新型出生前診断に関する臨床研究施設として日本医学会から認可を受けました。

 

2013(H25).5.14. ホームページによる情報提供を開始しました。



出生前診断の基本

出生前診断の考え方

 出生前診断は広い意味では、妊娠中に実施される胎児の発育や異常の有無などを調べるすべての検査を意味します。通常の妊婦健診で行われる超音波検査や胎児心拍数モニタリングなども含まれます。

 しかし、従来からそうした広い意味ではなくて、胎児の先天的な異常、特に染色体異常や遺伝性疾患の有無を調べる遺伝学的検査(羊水検査など)が出生前診断と呼ばれてきました。そして近年は、母体血中の胎児由来タンパク質の変化を調べて、胎児が特定の染色体異常や二分脊椎などにかかっている確率を知らべる母体血清マーカー検査や胎児の頚部のむくみ(NT)の肥厚の程度などを調べて胎児が特定の染色体異常に罹患している可能性が高くなっているかどうかを調べるための超音波検査などが行われるようになり、狭い意味での出生前診断と言えば、これらの検査方法も含まれるようになりました。

 これに昨年報道された「新型出生前診断」が加わり、現在の出生前診断の選択肢は非常に多様化しています。

高年妊娠・出産

 一般には35歳以上で出産をされる妊婦さんを、高年妊娠・出産と呼びますが、はっきりした用語が定義されているわけではありません。

 日本産科婦人科学会では35歳以上で初めての出産の場合を、「高年初産」と定義していますが、それ以外の用語は明確な定義はなく、高年妊娠や高齢妊娠、高年齢妊娠と呼ばれる場合もあり、年齢も35歳以上と公的に定められているわけではありません。

 出産年齢が高くなることで、妊娠高血圧症候群や早産などのリスクが上昇すると同時に、胎児にも染色体異常の罹患率が上昇します。



遺伝性疾患の出生前診断

 ご夫婦が特定の遺伝性疾患の保因者であったり、以前に遺伝性疾患の児の妊娠既往があり次回の妊娠でも罹患の可能性が高まっているといった場合には、出生前診断が可能な場合があります。ただし、その疾患が重篤な場合で、遺伝学的検査が実施できるための情報が揃っていることなど、いくつかの条件がありますので、詳細はまず外来を受診していただいての相談となります。

 これまで当科で多数の実施例がある疾患は以下のとおりです。

 ・進行性筋ジストロフィー(Duchenne型)

 ・筋強直性ジストロフィー

 その他は個別の事例として対応しています。

確定的検査と非確定的検査

 出生前診断の検査方法は大きく、確定的検査と非確定的検査に分かれます。確定的検査とはその検査の実施により、診断がほとんど確定する検査を意味します。たとえば羊水検査により胎児の染色体異常がみつかった場合は、診断が確定します。しかし、母体血清マーカー検査や超音波検査によるむくみ(NT)の肥厚の有無はあくまで、胎児が染色体異常に罹患している確率が高いかどうかを診断するための非確定的検査です。これだけでは胎児の異常の有無を診断することはできず、確定的検査を必要とします。新型出生前診断も非確定的検査になります。

侵襲的検査と非侵襲的検査

 また、侵襲的検査と非侵襲的検査という分け方もあります。侵襲的検査とは絨毛検査や羊水検査など、検査による流産リスクのあるものを意味します。非侵襲的検査とは母体血清マーカー検査や超音波検査など、検査による流産リスクがほぼないものを意味します。新型出生前診断も非侵襲的検査です。 胎児が染色体異常に罹患しているかどうをを調べる場合には以下のようになります。

 

胎児染色体異常の診断の場合 

 ・侵襲的検査:確定的検査(絨毛検査・羊水検査)

        流産リスクがあるが診断は確定する

 ・非侵襲的検査:非確定的検査(母体血清マーカー検査 超音波検査 NIPT)

        流産リスクはないが診断は確定しない 診断確定には侵襲的検査が必要

 

 確定的検査か非確定的検査かは、胎児の病気によって異なります。たとえば二分脊椎の診断などでは非侵襲的検査の超音波検査は確定的検査になります。